決算をいつまでに終わらせればいいのか、疑問に感じている方も多いでしょう。本業が忙しくて決算のことまで手が回らず、申告に間に合うのか不安に思う方もいるかもしれません。
法人や個人事業主が決算のあとに行うべき申告には期限があり、期限内に申告しなかったケースではペナルティが課せられます。では、どうしても期限に間に合わないケースや申告期限を過ぎてしまった場合、どのようにすればよいのでしょうか。
本記事では、申告の期限や申告の期限が過ぎた場合のペナルティ、申告の期限延長が認められる場合について解説します。
申告の期限はいつか
申告の期限は、法人と個人事業主で異なります。それぞれ確認していきましょう。
法人の場合
法人の申告期限は、決算日を基準に定められています。特別な届出を提出していない場合、法人税及び消費税の申告は、決算日の翌日から2か月以内に提出する必要があります。
例えば3月決算の法人であれば、5月31日が申告期限です。納期限も同日になります。期限にあたる日が土日祝日の場合は、期日は翌日(休み明けの平日)になります。
個人事業主の場合
個人事業主の場合は、所得税の確定申告書は2月16日から3月15日、消費税の申告書は3月31日が提出期限です。納期限も同様になります。
申告の期限に間に合わなかった場合
何らかの事情で期限までに申告できなかった場合は、できるだけ早く申告をするようにしましょう。申告が遅れると、さまざまなペナルティを課せられることになってしまいます。申告期限が過ぎた後の対応でペナルティの重さが違ってきますので、2つのケースに分けて解説します。
税務署に指摘されるまで放置した場合
申告期限を過ぎても放置し、税務調査が入ったケースでは無申告加算税や延滞税などのペナルティが課せられます。無申告が悪質であると判断されてしまえば重加算税が課される可能性もあり、加算税率は40%です。
期限後に自主申告した場合
期限が過ぎた後自主的に申告したケースでは、延滞税はかかりますが、無申告加算税が少なく済みます。
申告期限に遅れた場合のペナルティ
申告期限に遅れてしまった場合のペナルティにはいくつか種類があります。それぞれ確認していきましょう。
無申告加算税
無申告加算税は、期限に申告が間に合わなかったことに対するペナルティです。原則として、納税額に対して15%(50万円を超える部分は20%)の割合をかけて計算した金額になります。なお、税務署に指摘を受ける前に自主的に申告した場合は、無申告加算税が5%に軽減されます。
ただし、次の要件をすべて満たす場合には期限内に申告を提出する意思があったとみなされて、無申告加算税は課せられません。
① 申告期限から1か月以内に自主的に申告書を提出すること
② 申告期限内に納付すべき税額を全額納めていること
③ 過去5年間に無申告加算税や重加算税を課せられたことがなく、期限内に申告をする意思があったと認識できる場合の無申告加算税の不適用を受けていないこと
重加算税
無申告で内容が悪質と判断された場合には、重加算税が課せられることもあります。無申告加算税に代わって重加算税が課せられる場合の税率は40%です。
延滞税
納税が期限に間に合わなかったことに対するペナルティです。原則として納めた税金に対して、納期限の翌日から2か月は年7.3%の割合で課せられます。なお、令和3年1月1日以後の期間は、「7.3%」と「延滞税特例割合基準+1%」のいずれか低い割合となります。
また、納期限の翌日から2か月を経過した日以後の割合は原則として14.6%です。令和3年1月1日以後については「14.6%」と「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合となります。
青色申告の取消し
青色申告の承認が取り消されるケースもあります。青色申告の承認を取り消されてしまうと、青色申告の節税メリットが受けられなくなりますので注意が必要です。また、青色申告がいったん取り消されてしまうと、1年間は再申請できなくなります。
申告期限の延長が認められるケース
地震や水害などの自然災害によってやむを得ず申告期限に間に合わない場合には、申告期限の延長が認められています。国税庁長官が地域や期日を指定した場合は、指定地域に該当すれば特に手続きの必要はありません。
なお、災害やその他やむを得ない理由により個別で期限延長をするケースでは、期限延長申請を提出することになります。延長できる期間は、やむを得ない事由がやんだ日から2月以内です
まとめ
決算のあとに提出する申告には期限があります。申告の期限に間に合わない理由はさまざまですが、期限後申告や無申告になってしまうと、無申告加算税や延滞税などのペナルティが発生してしまいます。申告期限の延長が認められるケースもありますので、お困りのことがあれば【決算直前・無申告おまかせサポート】に、いつでもお問い合わせください。