確定申告は不要だが、住民税の申告は必要になる場合があると聞いた人もいるのではないでしょうか。税務署に行ったが、「あなたは住民税の申告をしてください」といわれたことがある人もいるかもしれません。
今回は、住民税申告が必要になる場合や申告のやり方について解説します。
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住民税とは
住民税とは「市町村民税」と「道府県民税」を合わせた総称です。その地域に住む人たちが、教育や福祉、救急などの行政サービスを受けるために必要な負担金といったイメージです。
住民税には「個人住民税」と「法人住民税」があり、個人が負担するものは「個人住民税」といいます。
引用元:財務省「身近な税について調べる」
住民税申告と確定申告の違い
住民税申告は、住民税を計算するための申告で、提出先はお住まいの地方自治体です。一方、確定申告は1年間の所得税を精算するための申告で、提出先は納税地を管轄する税務署になります。
住民税申告、確定申告ともに提出期限は3月15日ですが、申告の様式や計算方法も違ってきます。
住民税の申告が必要な人と不要な人
住民税の申告は、提出が必要な人と不要な人がいます。どのような場合に必要または不要となるのか、それぞれ確認していきましょう
住民税の申告が必要な人
次のような場合は住民税の申告が必要です。
- 事業収入や不動産収入、雑収入はあるが、所得税の確定申告が不要になる人
- 勤務先を中途退職し年末調整をしていない人(確定申告を行わない場合)
- 非上場株式の少額配当(1回の支払いが「10万円×配当計算期間月数÷12」」の額以下のもの)で確定申告不要制度を選択した人
- 住民税の医療費控除などの特別な控除を使う人(確定申告を行わない場合)
住民税の申告が必要な場合は、翌年の3月15日までに提出しなければなりません。
住民税の申告が不要な人
住民税の申告が不要なのは、次のような人です。
- 会社で年末調整をした人
- 確定申告を提出した人
- 公的年金による雑所得のみでその他収入がない人
確定申告が不要でも住民税申告が必要な人
副業で得た収入が20万円以下で確定申告の必要がなくても、住民税の申告は必要です。
確定申告を行えば、申告した内容が税務署から市区町村に通知され、その情報をもとに住民税額が決定されますが、確定申告をしなかった場合は、そのままでは住民税額が決定されないため、ご自身で住民税の申告の手続きを行わなければなりません。
住民税申告に必要な書類
続いて、住民税の申告書を作成する際、一般的に必要な書類についてお伝えします。
【所得の証明書類】
- 給与収入の源泉徴収票
- 公的年金の源泉徴収票
- 帳簿や領収書など(事業者の場合)
【各種控除書類】
- 社会保険料の領収書など
- 生命保険や地震保険の控除証明書
- 医療の領収書や明細書
- 寄附金の受領証明書
- 障害者手帳
【本人確認書類】
- マイナンバーカード
- マイナンバーの通知カード+運転免許証等
- 印鑑
本人確認書類は、マイナンバーを記入する必要があるため、マイナンバーカードか通知カードが必要になります。また、通知カードの場合は、併せて本人確認書類になる運転免許証、健康保険証、パスポートなどいずれか1つが必要になります。
印鑑は、自治体によっては必要となりますので、事前にお近くの市役所か区役所にご確認ください。
住民税申告の方法
住民税の申告については、様式や申告方法が各自治体により、若干異なっています。申告の際は、お住まいの自治体の情報を確認するようにしてください。
多くの場合、申告に必要な様式は各自治体のホームページからダウンロードできます。指定された様式に必要事項を記載し、各自治体に提出することになります。
提出については、窓口でできるほか郵送でも可能です。
また、地方税のオンラインシステムで申告できる場合もあります。例えば大阪市では、「大阪市行政オンラインシステム」から、神戸市では「神戸市スマート申請システム」から申告できます。
確定申告で副業がバレる?住民税の注意点
住民税の申告で注意したいのは納付方法です。住民税の納付方法は2種類あり、「普通徴収」と「特別徴収」にわかれます。
「普通徴収」は納税通知書を受け取り、自分で住民税を納付する方法です。一方「特別徴収」は、給与から住民税を天引きされるシステムです。会社員で副業をされている場合、「特別徴収」にしてしまうと勤務先に副業していることを知られてしまうリスクがあります。勤務先に副業をしていることを隠しておきたい人は、「普通徴収」を選択しましょう。
住民税申告しなかったらどうなる
住民税申告が必要な人が申告しなかった場合、本来納付すべき住民税に加えて延滞金がかかってきます。住民税の延滞金は、都道府県によって年利率が異なりますが、年利率7.3%~14.6%程度になります。国税の延滞税や住民税の延滞金は、上記の利率以外に特例基準割合も参考にして決定されます。そのため、実際には上記の利率よりも低くなります。
また、住民税の申告が不要の人でも、申告書を提出しなければ所得証明書を発行してもらえないケースもありますので注意が必要です。
まとめ
今回は、住民税の申告が必要になる人や住民税申告の方法について解説しました。
確定申告は不要でも、住民税の申告は必要になるケースもあります。自分の申告義務についてしっかり把握しておくことが重要です。
もし「住民税の申告が必要かわからない」「住民税の申告書の書き方が難しい」など住民税のことでお困りのことがあれば、【決算直前・無申告おまかせサポート】に、いつでもお問い合わせください。