確定申告は期限内に提出することが大切です。しかしながら、何らかの理由で無申告になることもあります。「無申告だとどうなるの」「無申告だった場合のペナルティはいくらになるの」など、無申告になってしまった際の不安を持つ人もいるでしょう。
そこで今回は、確定申告の期限や無申告になっていた場合の具体的なペナルティの金額などについて解説します。
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確定申告の期限
所得税の確定申告は、原則として毎年2月16日から3月15日の間に行います。期間の最終日に提出する際には、提出方法によって受付時間が異なるため注意が必要です。
提出方法と申告期限時間の一覧表は次のとおりです。
提出方法 | 時間 |
---|---|
窓口で提出 | 税務署の閉庁時間(17時) |
郵送 | ゆうゆう窓口(最長21時) |
電子申告 | 24時に達する直前 |
時間外収受箱 | 翌営業日に税務職員が回収するまで |
最長は時間外収受箱への提出で、翌営業日に職員が回収するまでに提出すると期限内申告になります。
時間外収受箱とは、税務署の閉庁時間に申告書や申請書などを提出できるポストのような箱をいい、税務署の外に置いてあります。
確定申告を失念していた場合は期限後でも提出可能
仕事やプライベートのことなど、さまざまな理由で確定申告を失念してしまうケースもあるでしょう。その際は、期限後でも気付いた時点で提出することが重要です。
期限後でもできるだけ早く提出することで、ペナルティである延滞税の金額を少なくすることができます。
ただし、青色申告の人が期限後申告した場合、青色申告特別控除が10万円になります。65万円や55万円の控除は期限内申告が条件となっているためです。
無申告だった場合のペナルティ
確定申告の期限を過ぎても申告せずに無申告でいると、さまざまなペナルティを課せられることになります。
無申告加算税
無申告加算税は、期限内に確定申告をしなかったことに対するペナルティです。原則として、納めるべき税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分については20%の割合で計算されます。
なお、令和6年1月1日以降に法定申告期限が到来する申告(令和5年分以降)に関しては、納めるべき税額に対して50万円までは15%、50万円を超え300万円までの部分は20%、300万円を超える部分は30%の割合を乗じて計算されることになりますので注意が必要です。
具体例を用いて無申告加算税の金額を計算してみましょう。
【例】令和5年分の確定申告書を期限後に提出(税務署から指摘があった後に提出したと仮定します)
提出日 令和6年4月1日
納税額 50万円
無申告加算税の率は15%が適用されるため、
50万円×15%=75,000
よって、無申告加算税の額は75,000円となります。
ただし、税務署から指摘を受ける前に自主的に申告書を提出した場合には、無申告加算税が5%に軽減されます。
また、次の要件を満たす場合には無申告加算税は免除されます。
- 確定申告期限の後1か月以内に自主的に確定申告をしている
- 期限後申告にかかる税額を法定納期限までに全額納付している
- 期限後申告書を提出した日の前日から起算して過去5年間に無申告加算税または重加算税を課されていない
延滞税
延滞税とは、税金が期限までに納められなかったときに発生する税金です。原則として、法定納期限の翌日から納付するまで日割りで計算されます。
令和3年1月1日以降の割合に関しては、納期限の翌日から2か月を経過する日までは原則として7.3%の割合で計算されます。また、納期限の翌日から2か月を経過した日以後は、原則として14.6%の割合で計算されます。
延滞税については、こちらの記事で詳しく解説しておりますのでご覧ください。
重加算税
重加算税とは、所得や納めるべき税金を隠ぺいまたは仮装した場合に課せられるペナルティです。重加算税は無申告の場合だけではなく、期限内に申告していても帳簿を改ざん等した場合にも課せられることがあります。
過少申告の場合は過少申告加算税に代えて本来納める税額の35%、無申告だった場合は無申告加算税に代えて40%が課せられるペナルティです。さらに、過去5年内に無申告加算税もしくは重加算税を課せられたことがある場合には、それぞれ10%が加算されますので注意が必要です。
無申告は税務署の調査を受けることもある
無申告でいると、税務署による調査を受ける可能性があります。国税庁は、
無申告は、申告納税制度の下で自発的に適正な納税をしている納税者に強い不公平感をもたらすことがあるため、的確かつ厳正に対応していく必要がある
としています。
引用元:国税庁「無申告者に対する調査状況」
税務署には様々な情報が集まります。たとえあなたが確定申告をうっかり忘れてしまったとしても、税務署による調査を受ける可能性があります。このような場合でも、税務署は取引先にも調査を拡大することがありますので、日頃から適正に帳簿をつけ、期限内に申告することが大切です。
確定申告の期限に間に合わないとき
申告期限に間に合わないときはどうするべきなのでしょうか。
災害や病気など状況によって期限延長ができるケースもあります。期限に間に合わないと分かった時点で、一度所轄の税務署に相談するとよいでしょう。
ただし、仕事が忙しいといった理由では期限延長はできません。期限に間に合わなかったとしても、できるだけ早く確定申告書を提出するようにしましょう。
まとめ
申告していないと、無申告加算税や延滞税などのペナルティが課されることになります。また、調査が実施される場合もあります。確定申告書は期限内に提出し、期限内に納付すべき税額を納税するようにしましょう。
「無申告の状態で困っている」「申告したいが方法がわからない」など確定申告関係でお困りの方は、【決算直前・無申告おまかせサポート】に、いつでもお問い合わせください。